デジマチャレンジ結果発表

Webマンガでスターになる!第8回デジマチャレンジ

結果発表!!

春のすべて

小野サクラ
作画について

 扉だけでなく、ポイントで主人公の顔のアップを思い切りよく入れているので、華やかな画面が作れている。アップは、ただ大きく描くだけではなく繊細な線での描きこみが多いので、迫力のある強い絵になっていて、読者に訴えかけてくる。ただし、人物の顎が小さく、細く、とがりすぎているために、口元に現れるはずの表情が描けていないのは残念。画面の構成では、凝ったアングルやコマ割りが少々やりすぎのところもあった。絵の構図は、何となくではなく明確な意図をもって決めるべき。

ストーリーについて

 印象強い絵に比べて、ストーリーはぼんやりとした読後感を抱かせるものになってしまった。登場人物のキャラクターの作りこみは出来ているが、場当たり的に回想シーンが入っていて、テンポが出ずに読み進めにくかった。また、ストーリーの骨格になるはずの主人公の気持ちと思考の移り変わりが、はっきりとしていないために、読み手は雰囲気だけを見せられることになってしまった。ネームを描く前に、プロットをしっかりと煮詰めて全体のストーリー構成を整理してほしい。

総評

 描き手が女性の場合、自分の考えを主人公に代弁させるのが恥ずかしく感じるといった理由で、ラブストーリーの主人公を男性にしたりすることはないだろうか。作品を通して伝えたいことを作者に代わって一番伝えてくれるのが主人公だとすれば、その主人公が描き手と似た人物になるのは当然。女性の作者が男性主人公の作品を描いているケースが多いが、今一度そうする意味をよく考えてみてほしい。

ノンシュガー・
ラブ

日々樹早
作画について

 男性・女性のキャラクター共に可愛らしく描けている。ただし横長の4コマ形式ということもありコマに収めるためキャラクターの描画が全体的に同じデフォルメになってしまっている。4コマという形式上、等身を下げる頻度が多くなるがきちんとそのことを理解した上で、等身の描き分けを意識して出来るようにすること。

ストーリーについて

 主人公の女の子が不良なのに実は純情、という彼女にとっての弱点をきちんと読者に提示しているのはGOOD。
まんがの主人公は読者にとっては、ほぼ初めて出会う人物。そのキャラクターの目的や人には言えない隠し事、弱みなどを読者に提示するとその人物の人となりがわかりやすく伝わるので今後も意識して描いてほしい。

つゆの陽

桜井ゆき
作画について

 しっかりとした描画、わかりやすいコマ割りで非常に読みやすい作品だが大ゴマになった時の人物の顔が崩れてしまっていたのは残念。特にその傾向は男の子キャラクターに顕著に表れていたので下絵の段階で絵が崩れていないかチェックをするように。

ストーリーについて

 主人公の恋愛が成功するのかどうか、というお話できちんと最後まで描ききっていて好印象。
ただし主人公の感情がどう動いているのかストーリーの中でぼやけてしまっている。
前半に主人公が男の子とどうなりたいのか、そしてなぜそれが達成できないのか、という物語の基本構成をきちんと読者に提示すること。

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