扉絵やクライマックスのシーンでの絵は、とても丁寧に描かれていて華やかさも感じられて良いです。ダイナミックな画面構成で盛り上がりました。一方で、それ以外のところでは描線が粗く、デッサンも不安定、仕上げも雑になってしまい、落差を感じてしまいます。また、ページにコマを詰め込みすぎていて、しかもコマの中の絵もゴチャゴチャとしていて、読みづらくなってしまっているのも気になりました。滑らかな描線と読み手が自然と読み進められるようなコマ運び・画面構成が、次のステップに進むためには必要不可欠です。

二人の男子大学生の話ですが、モノローグの話者がその二人ともになっていて、大変読みづらくなってしまっています。読み手が感情移入する対象である主人公は一人だけ、それをきちんと設定しないといけません。そうしているつもりでそう描けていないとしたら、それはモノローグの話者が二人になってしまっているからです。主人公＝モノローグの話者という原則に則ってプロットを構築してみましょう。そうすれば、主人公の気持ちはもちろん、それ以外の登場人物の気持ちもわかりやすくなります。描こうとしているキャラや雰囲気は良いだけに、それをわかりやすく読み手に伝えるということを第一に考えて次回作に挑戦してみてください。