二次元恋愛方程式
人物や効果を丁寧に描き上げており、特に背景がきちんと描きこまれているのは好印象でした。
しかしあまり読者の目線が通らない箇所に背景を描きこんでいるところが気になりました。
ほとんど読者の目線が通らないところに背景を描きこんでもあまり意味はなく、また描きこみしすぎると画面がうるさくなる恐れもあります。
手を抜くということではないですが、ネームの段階で読者の目の導線上に効果や背景を置くように意識して、スッキリとした画面を作ることをこころがけましょう。
男の子との出会いのところからほとんど物語が進まなくなってしまったのは残念でした。
元々男の子が主人公に好意を持っていた、という既成事実をただ説明する流れになっているので、ふたりの関係性に大きな変化が見られませんでした。主人公の能動的な行動によってふたりの関係がどう変わるのかを意識してストーリー作りを行ってください。
きみに魔法を
かけるから
全体的に人物の描線や描きこみが少なく、人物がアップになった時などに人物の質感が伝わらないのは非常にもったいないです。
またそれだけではなく人物の白い部分が多くなり、画面全体に淡白な印象を与えてしまいますので注意しましょう。
特に男性キャラは肌の質感、骨、筋などを意識してより男性らしく見せるように心がけてください。
序盤に「この主人公はカッコイイ男の子とどうなるのか?」というお話の構成をきちんと読者に示していて好印象。
ところがその「どうなるのか?」の結果を読者に見せず、急に物語を終わらせてしまったのは残念。
次回は読者が読んだ後にクエスチョンが残るような構成にせず、きちんと物語を完結させてください。
今回の投稿作品は物語を最後まで描き切らずに終えてしまった作品が多かった印象でした。
あえて最後を描かずに読者の想像に任せるという手法もありますが、見方を変えると読者に物語の完成を任せてしまっているとも言えます。
この物語がどういうストーリーなのかを、読者が理解しなければお話が面白い、面白くないかどうかも読者は判断できません。
自分の描いたストーリーが面白いかどうかという見方だけではなく、きちんと情報が読者に伝わっているかどうか、という確認も忘れずに行って作品作りに臨んでください。