ずっと
好きでした。
描線が少し硬いですが、描き込みは十分です。絵一つ一つは、しっかりと描けています。また、背景は殆どすべてのコマに入っています。しかし、そのどのコマも、同じ密度でみっちりと描き込まれていたりトーンで処理されていたりするせいで、読んでいて息苦しく感じられます。いくら画面をキラキラさせるのが好きだといっても、ここまで一本調子の濃さでトーンが入っていると、人物の感情の起伏やシーンでの盛り上がりを表現するのに、支障が出てしまいます。また、画角も揃いすぎていて変化に乏しく、結果として暑苦しさだけが残ったという印象でした。大事なのはメリハリをつけることです。
柔道部の2年上の先輩のことが好きになってしまう男の子が主人公のBLですが、とにかくモノローグで説明しすぎていて、まんがになっていません。また、先輩の気持ちがあまりにも分かりづらく、先輩が強引な主人公を受け入れる展開に読者はついていけません。ジャンルは様々でも、まんがで大切なのはいつもキャラクターです。キャラクターを作り込まず、そのキャラクターの気持ちの変化を追うことをおろそかにしたまま、シチュエーションばかり意識して描かれているように感じました。次作では、キャラクターありきのストーリー作りをまず心がけてください。