メイキング・
ストーリー
基礎的なデッサン力が身についています。動きのあるシーンも違和感なく、ダイナミックに描けています。背景のデッサンも安定しているので、状況が分かりやすいです。描線はやや硬く太さも均一で、特に人物の顔を描く際には、表情が薄っぺらく感じられてしまうことにつながっています。外見的にキャラクターそれぞれに個性を出すためには、滑らかな線で描き込みを増やすことが大事です。コマ割りはやや単調で、コマの大きさも揃いがち。せっかく動きのあるシーンがうまく描けるのに、コマが小さくて迫力が抑えられてしまっているのが残念です。テンポが速いながらも読みやすいコマの運びにはセンスを感じます。次作では、よりスケールが大きな絵作りに挑戦してみてください。
ボツ続きの男性少女まんが家の頭の中で、彼が考えたキャラクター達が繰り広げるドタバタコメディ。設定を考えついたとしても実際に描くとなるとなかなか難しいストーリーですが、面白く、しかも読みやすく描けています。数多くのキャラクターが登場しますが、どのキャラクターも生き生きとしていて、分かりやすく描けています。ラストはきれいにはまとまっていますが、エンディングとしてはオチが小さめで物足りなかったです。16ページという短めの作品としてのまとまりは十分ですが、ぞれぞれのキャラクター造りの巧みさや構成の上手さをより生かすために、次作ではより長いページの作品を描いてみてほしいと感じました。